メイクさんは、一発でピッタリのヅラを選ぶ。
(映画『中江藤樹』)
親愛なる君に

前から、一度やってみたいと思っていたのが、時代劇でした。
映画『中江藤樹』の中で、大塩平八郎の役をすることになりました。
革命家の大塩平八郎と聞いて、
「やります」と、その場で、返事をしました。
ジャパンカップの合間をぬって、
京都・太秦に時代劇のヅラあわせに行ってきました。
東映太秦撮影所は、スタジオ全体が、タイムスリップしています。
『大奥』や『国盗り物語』『影の軍団3』など、
7本の時代劇が同時に撮影されています。
メイクさんは、なにも計らずに、裏へ行ってヅラを持ってきました。
スポッとかぶせると、これがピッタリ。
さすが、職人芸と感服しました。
「どや、ぴったりやろ」と、メイクさんは、
そばにいたスタッフに指さしました。
「エエやんか」
結構、自分でも気に入りました。
ちょんまげは、おでこの部分は、羽二重を二重に巻いているだけで、
ヘルメットのようなものではありません。
実は、僕は、30歳の時に、舞台デビューをしているのですが、
その時の役は、宮本武蔵でした。

                        彰宏より。
P.S.
監督さんに、「無骨な感じで」と言われました。
「無骨な役」も、やりたかった役です。