格闘家の心と、センチメンタルな心が、同居している。
(天才獣医・野村潤一郎先生)
親愛なる君に

天才獣医の野村潤一郎先生の『ダーツよ、鉄の城を見張れ』(世界文化社)
を、送っていただき、読みました。
熱い本でした。
前書きから、ゴングでなぐりつけるようなパワーでした。

〈リーラの澄んだ瞳には私以外の如何なる人間も映りこむ余地はなかった。
だから若き日の私の思い出にリーラのいない時はない。〉

〈彼女の頭の中にだけ、私の本当の人生が記録、蓄積されていく。〉

〈リーラは、私の人生を超加速させた。〉

〈犬の幸せのために馬車馬の如く働いてきた。〉

〈いつもいつも、そんな私をリーラは見ていた。〉

野村先生の愛犬リーラは、癌で亡くなった。
リーラが天国に行った後も、野村先生はオモチャを片づけなかった。

〈床にはまだ彼女のオモチャや犬用のガムが転がっている。
私にはまだ片付けることができない。〉

格闘家の心と、センチメンタルな心が、野村先生の中に同居しています。

                        彰宏より。
P.S.
本が、デルマの線だらけになりました。