人間にとって、10代は、おぼろげに記憶のある前世だ。
(中里潤さん)
親愛なる君に

日本ボウリンリング場協会の理事の中里則彦さんと食事をした時に、
「うちの息子は、親が言うのも変なんですが、優秀なんですよ」
と、自慢されました。
親が、子供を自慢できるというのは、素晴らしいことです。
日本人には、なかなかいません。
作家を目指しているという潤君の処女作『絶望のエチュード』を、
送っていただきました。
お父さんも読ませてもらえなかったという貴重な作品です。
自分のお小遣いで、印刷から製本までインターネットで調べて作った
世界に40冊しかないうちの1冊です。
紙にもこだわった和綴じの本です。
この本の最大の読者は、未来の潤君自身です。
よく、前世の記憶を子供の頃は覚えているけど、
大人になったら忘れてしまうと言います。
同じように、高校時代の記憶を、大人になると、みんな忘れてしまうのです。
高校時代には、高校時代にしか書けないことがあるのです。
それを、大人になって読み返すことは、
とても大事なことなのです。
人間にとって、10代は、きっと前世みたいなものなんですね。
これは、前世の記憶集なのです。

                        彰宏より。
P.S.
40冊の本は、きっと多くの縁ある人に、
回し読みされるでしょう。
作家になるということは、この本を乗りこえていく苦難を
引き受けるということですね。