監督第一作に出るのは、役者にとって光栄。
(葉山陽一郎監督)
親愛なる君に

僕が出演させてもらった『サル』は、
葉山陽一郎監督の劇場長編映画監督第一作でした。
僕は、監督第一作の作品には、ぜひ出たいと思います。
まったく未知数の監督の作品に出るのはリスクがあるのですが、
第一作というのは、やっぱり思い入れが大きいものです。
「実績のない監督の作品にはちょっと」と
断られている大変さもわかるので、ますます協力してあげたいと思います。
兼業役者の僕らには、誘ってもらえるだけで、光栄です。
ましてや、第一作に呼んでいただけるのは、さらに光栄です。
第一作といっても、それまでに、長い道のりがあるわけです。
助監督でどなられ、脚本を書き直され、
名前の出ない仕事をやり、借金をし、
バラエティの仕事をしたり、カラオケビデオを撮ったり、
短編を撮り、オムニバスの1本を撮り、低予算のVシネを撮り……。
すべての思い入れがある作品なのです。
第一作は、脚本からのキャスティングというより、
第一作を撮る前から、第一作には出てほしい役者さんは、
実は、心の中で決まっています。
だから、第一作に呼んでもらえるというのは、光栄なのです。

                        彰宏より。
P.S.
『コンクリート』も、中村拓監督の第一作でした。