コンサートのつぶやくようなトークが、曲より忘れられない。
(小椋佳コンサート1976)
親愛なる君に

昔の番組を掘り起こしている「NHKアーカイブス」が、
好きで録画して見ています。
「NHK特集・小椋佳の世界」1976年が、懐かしかった。
小椋佳さんが、初めて開いたコンサートのメイキングでした。
僕は当時、高校生でした。
女の子よりロマンチック過剰だった頃で、
『小椋佳詩集』が大好きで読んでいました。
詩集の表紙には、パステルで、ショートカットの女性が描かれていました。
なぜか、小椋佳って、こんな美人だと思い込んで疑いませんでした。
まさか、背広を着た第一勧銀の銀行員だとは、思いませんでした。
小椋さんのコンサートを、TVで見るまでは。
再放送を見直して、コンサートの曲と曲の間のトークのセリフを、
僕は完璧に覚えていました。
僕が、高校生の頃は、ステレオコンポというものが
まだ普及していませんでした。
あるのは、ステレオとラジカセでした。
僕は、録音カセットをテレビに近づけて、番組を録音して、
何度も何度も聴いていました。
だから、トークも全部暗記していたのでした。
東大に行って、シンガーソングライターになるのもいいなと憧れました。

                        彰宏より。
P.S.
アンコールの「木戸をあけて」を自分のギターで歌う時に
小椋さんがボソッと言ったひと言が、忘れられません。
「まあ失敗したら、やり直しますから……」