ホラー映画の撮影中には、怪現象が起こる。
(『TV憑き』ひとりでに締まるベルト)
親愛なる君に

ホラー映画では、撮影中に、不思議なことが起こります。
バラエティ番組では、自分の衣装で出ています。
映画では、たまに自前のこともありますが、基本的に衣装部さんの衣装です。
自分の体になじむように、できるだけ早く着替えて、ウロウロしています。
『TV憑き』の撮影の時、衣装に着替えてから、トイレの個室に入って、
ベルトをはずそうとしたら、はずれないのです。
普通、バックルの角度を変えると緩むはずなのが、緩まないのです。
いろいろ工夫するうちに、ますますベルトがきつく締まってきてしまいました。
ギリギリの状態でトイレに駆け込んだわけではなかったのが、
不幸中の幸いでした。
そうなると、大惨事になっていました。
これでもし死んだりしたら、「トイレで自殺」なんて出てしまうかも、と
心配しました。
その一方で、個室に入るところを見られたので、あんまり出てこないから、
「中谷さん、おなか痛いのかな」と思われるのも、ちょっと恥ずかしいなと
変な心配をしました。
奇跡的に、ベルトが緩み、一命を取り留めました。
衣装さんに聞くと、「あのベルト、緩め方、不思議ですよね」と言ってました。
ホラー映画の撮影現場の怪現象でした。

                        彰宏より。
P.S.
笑える状況が、いちばん怖いですね。

※『TV憑き』は『死霊波』に改題になりました。
  05年2月5日から渋谷シネ・ラ・セットで公開です。