大人のラブレターには、ドラマがある。
(『60歳のラブレター』)
親愛なる君に

住友信託銀行で募集した『60歳のラブレター(4)』(NHK出版)を、
読みました。
50歳をすぎると、誰もが10代に戻るということがわかりました。
いろんなことも経験したあとの10代は、ますます純情でした。
僕の大好きなラブレター3つ。

1.奥野節子さんのラブレター。
出張から帰ったご主人に、「お土産は?」と言うと、「旅行にいったんとちゃうで」
と言いながら、洗濯物の間から、奥さんの好きなマロングラッセの金の箱が
出てくる。

2.鈴木敏弘さんのラブレター。
「二人だけの愛、誰にも内緒ね」という奥さんが書いた年賀状を、
こっそりみてしまった発見。
ヤキモチをやいて、ウイスキーを1本あけてしまったご主人。
酔った勢いで宛て名を見ると、自分宛てだった。
「一緒に住んでる人間に、年賀状を出す奴がいるか」と言いながら、
最後に一言。
「出しても、いいぞ」

3.竹島謙一さんのラブレター。
同窓会に出ると、昔の恋敵が長者番付にのる大金持ちになっていた。
「はずれてよかった」という奥さんに、ご主人が言う。
「君の宝くじははずれたけど、僕の買った宝くじは大当たりだった。
前後賞に、二人の娘と三人の孫がついた一等賞」

大人のラブレターには、ドラマがあります。

                        彰宏より。
P.S.
君がかわいいおばあちゃんになっても、ラブレターを書きます。