わたる君は、ダンスの透き間に芝居を入れる余裕がカッコいい。
(湖月わたるさん)
親愛なる君に

湖月わたるさんの出ている
『花舞う長安』と『ロマンチカ宝塚'04』(宝塚星組)を見てきました。
『花舞う長安』では、わたる君演じる玄宗皇帝は、
ヒーローというより、いい役なのか悪役なのかを超越した人間臭い主役です。
恋のために楊貴妃を略奪して、恋のために敵をつくって、
恋のために国を滅ぼし、恋のために身を滅ぼしていく皇帝です。
その破綻ぶりが、ただカッコいいヒーローよりも、カッコいいですね。
『ロマンチカ宝塚'04』では、わたる君がますますカッコよくなっていた。
どうしてカッコいいかというと、
ダンスのキレがいいので、ダンスとダンスの透き間に、
きっちりお芝居をしているのです。
芝居をダンスの透き間に入れる余裕があるのです。
これは、よほどダンスにキレがないと、
お芝居を挟もうとすると、ダンスが遅れてしまうのです。
ちょうど、石井竜也さんが、小芝居をしながらも、
歌唱力で歌に遅れないのと同じ才能ですね。
わたる君のダンスは、ダンスなのに、ダンスよりも、お芝居でした。

                        彰宏より。
P.S.
宝塚に行くと、カッコよさの勉強になるね。