母親が、だんだん神様になって、みんなの中に、入っていった。
親愛なる君に

1月10日夜、僕の母親が、天国へ旅立ちました。
早速、大阪に帰って、誰もが、
「突然のことで……」と、先に泣かれました。
毎日、[レター]を読んでくれている高校時代からの親友・イズンチョが、
「そうかて、[レター]で、今日も出てたやん」と言いました。
まったく、本もレターも、当日まで、登場していました。
心筋梗塞でした。
不思議なことに、僕は、意外に突然な気がしていないのです。
母親の口ぐせは、こうでした。
「本当に、幸せ。あなたに感謝。神様に感謝」
僕だけではなく、すべての人にそう言って感謝していました。
「もういつ死んでもええわ。
あと10年生きるけどね……」
母親は、いきなり天国に行って、神様になったのではないのです。
もう、ずっと前から、神様のような人になっていたのです。
いきなり神様になったのではなく、
だんだん神様になって、もうすっかり神様になっていたのです。
僕は、電話で母親と話しているのではなく、
神様と話していたのです。
神様になって、1人ひとりの中に、魂として、合体したのを感じます。
母親の魂は、母親の体を抜け出して、
花火のように咲いて、あらゆる人の体と心の中にしみ込みました。
この日から、僕の母親は、たった1人ではなく、すべての人になりました。
僕の中にもいるし、
まわりの人も、みんな僕の母親の分身なのです。
だから、なんだか、温かい気持ちになりました。
母親は、僕の[レター]が好きでした。
だから、今、この[レター]を読んでくれているすべての人の中にも、
母親の魂が、しみ込んだと思います。
おしゃべり好きの母親ですので、
おしゃべりに、つきあってやってください。

                        彰宏より。
P.S.
ママ、ありがとう。