帯のドキッとするコピーは、必ず、本文の中に隠れている。
(『ふしだらかしら』老嬢ジェーンのセックスとロマンスをめぐる冒険)
親愛なる君に

新聞の本の宣伝コピーから、その本を取り寄せて買うのも、
面白い本との出合い方です。
新聞の宣伝コピーは、たいてい帯のコピーが使われています。
本の帯のヒットは、これです。
「67歳になる来年3月までに、
好みに合った男性とたくさんお付き合いをしたいのです。
まずは会話からとおっしゃるなら、話題はトロロープでいかが?」
タイトルは、
『ふしだらかしら 老嬢ジェーンのセックスとロマンスをめぐる冒険』
(ジェーン・ジャスカ著、清宮真理訳/バジリコ刊)。
内容も、ロマンティックな本でした。
帯のコピーは、本文の中で、
ジェーンさんが新聞の個人広告に出したコピーです。
本のコピーではなく、自分の告知でした。
その告知に応募してきた男性との恋愛の物語です。
「トロロープ」とは、マニアックな官能小説作家のことです。
帯のドキッとするコピーは、必ず、本文の中に隠れています。
わざわざ作り出す必要はないのです。
君のドキッとした1行が、本の帯のコピーになるのです。

                        彰宏より。
P.S.
ジェーンさんの個人広告に、応募したくなりました。