本の匂いをかぐ、君が好き。
(『本は こうして つくられる』)
親愛なる君に

パープル・淺野君紹介の『本は こうして つくられる』(アリキ作・絵)
を、初めて、読みました。
ビックリしました。
あまりにも、きちんと本づくりの専門的なことが、描かれています。
僕も、初めて知ることが、たくさんありました。
これは、子供にもわかりますが、現場のスタッフの教科書にも、
たしかに、なりますね。
この中に、本をつくるスタッフが、大勢登場します。
著者・編集者・発行責任者・デザイナー・校正者・製作担当者・製版者・
印刷者・宣伝担当者・営業担当者……。
僕がいちばん感情移入したのは、
著者ではなくて、本をプレゼントされた子供でした。
本屋さんで、「何冊 買っていいの?」というセリフには、泣けました。
「おたんじょうび おめでとう」と手渡される時、出る
「あ、もしかしたら……」というつぶやき。
そして、本を手にして、こう叫ぶ。
「本だ!ぼくの本だよ。いつでも、読めるし、匂いもかげる。」
「匂いもかげる」は、本好きにしか、出ない言葉ですね。

                        彰宏より。
P.S.
僕の本の匂いをかぎながら喜んでいる君を、僕はいつも思い浮かべてる。