好きな人のあくびも、怒っている顔も、好き。
(藤代冥砂さんの『もう、家に帰ろう』)
親愛なる君に

藤代冥砂さんの写真集『もう、家に帰ろう』(ロッキング・オン)を
読みました。
写真集なのに、「見ました」ではなくて「読みました」でした。
「藤代冥砂が最も多くシャッターを押したのは妻だった」
という、帯コピーも、やられました。
奥さんで、モデルの田辺あゆみさんのスナップ写真集なんだけど、
これって、愛してる人じゃないと、見せないし、
撮れない顔だらけなんです。
あくびをしている顔も撮れば、
怒っている顔も撮る。
僕は、同じ表現者として、こういうのに、憧れます。
好きな人を描き続けたい。
僕が、ケンカをしない理由は、好きな人が怒っていても、
怒っている顔を、「この顔もいいね」と描写してしまうからですね。
庭であおむけになって寝てるブルドックみたいに、
恋人や奥さんを撮れるって、素敵だね。

                        彰宏より。
P.S.
最後のひと言も、やられた。
このひと言を、隠すために、タイトルをわざと「家に帰ろう」にしてた確信犯。
「家に帰るのではなく、君へと、帰ろう」