自分の監督作品に、まぬけな悪役で出演する才能。
(ベン・スティラー)
親愛なる君に

「海外の俳優で、男は誰が好きですか?」と聞かれたら、
今、ハリウッドでは、ベン・スティラーがカッコいい。
コメディで、脚本・監督・主演をするという意味では、
ハリウッドのチャウ・シンチーといってもいい。
ちょっと、影のあるところで言うと、
北野武監督にも、似ている。
『ドッジボール』で初めて見た時、この悪役が監督だと、
パンフを読むまで気づきませんでした。
普通、監督が主演をする時は、ぐれている役でも善玉なのです。
しかも、自分が嫌われるヒロイン役の女優が、奥さんだったというのも、面白い。
それから、ベン・スティラーの作品を、全部見てみました。
『ズーランダー』の同じ顔しかできないスーパーモデルの暗さは、
武フィルムの面白さでした。
『スタスキー&ハッチ』のリメイクも、
オリジナル版より、キャラが面白くなってた。
『ミステリー・メン』の弱いヒーローも、ベン・スティラーワールドで、
女性に不器用というのも、いつものダンディズムでした。
二枚目俳優というと、すぐ日本で有名になるけど、
コメディー俳優は、意外に知られていないことが多い。
そう思っていると、『マダガスカル』の主役の声を、
ベン・スティラーがやっていた。
ディズニー・アニメの声優は、売れてないと、できないのです。

                        彰宏より。
P.S.
ボウリング映画を、オムニバスで、
チャウ・シンチー、北野武、ベン・スティラーで、撮ってほしい。