芸術とは、畢竟、ほめることだ。
(榛谷泰明さん編『ほめことばの事典』(白水社))
親愛なる君に

榛谷泰明さん編『ほめことばの事典』(白水社)を、読みました。
面白いと同時に、膨大な作業に、感服しました。
榛谷さんは、連日、図書館にこもって、古今東西の文献、1万2000冊から
「ほめことば」を抽出する作業をされたのです。
僕の本も、取り上げていただきました。
『ほめ芸王』ではなくて、『なぜ彼女にオーラを感じるのか』でした。
これが、この事典の本質であり、ユニークなところです。
「オーラ」をほめる項目に分類されていました。
目次の分類項目を見ているだけでも、これって、どうほめるんだろう……
って、想像が広がります。
「遺体」をほめるって、なんだろうって、見てみると『ドラキュラ』でした。
「ゴキブリ」や「シラミ」というものから、「豚」もある。
自分で、このお題でほめるとなると、
「美女」なんて、逆にほめにくいだろうな、などと考えます。
この本は、頭から読んでいくのではなく、
項目を最初に見て、自分でほめてみて、
それから本文の例を見ると面白いですね。
文学とは、畢竟、ほめやすいものも、ほめにくいものも、ほめることですね。

                        彰宏より。
P.S.
僕が、思わずうなったのは、「ストリッパー」の項。
「美人でもなく、スタイルがいいわけでもないのに、ほっとさせる」って、
ストリッパーの奥の深さを、感じさせますね。