大阪の法事は、明るい。
親愛なる君に

大阪の法事は、明るくていい。
おじさんに会うと、のっけから、笑いながらこの ひと言。
「彰宏、年賀状、出してしもた。うっかり、忘れてた。あははは」
この能天気さがいい。

お酒が入ると、どうしても、声が大きくなる。
一周忌と、忘年会の団体の区別は、もはやない。
その中で、耳がやや遠くなった父親と、母親のお兄さんの2人の会話を見て、
妹が笑っている。
聞こえる者と聞こえにくい者との会話は、不便があるけど、
聞こえにくい者同士の会話には、何の不便さもない。
いちばん小さい声で、目を見つめ合い、うなずき合っている。
「テレパシーで、通じてはるわ」と、妹。

お墓へのタクシーを手配するために、
「車で来られた方、手を挙げてください」と言うと、
袈裟を片づけていたお上人さんも、手を挙げてくれた。
大阪では、お坊さんも、面白い。

                        彰宏より。
P.S.
喪中のはがきは、あまりにも愛想なしなので、
僕も、年賀状は、いつも通りに書きます。