お嬢様言葉で、誘惑されると、ドキッとする。
(こせきこうじ著『山下たろーくん』)
親愛なる君に

エッチなマンガも好きですが、
エッチじゃないマンガで、エッチなシーンが出てくると、ドキドキします。
『山下たろーくん うみとそらの物語』(こせきこうじ著)は、
ちょっとドキドキしました。
絵のタッチも、物語も、まったく清純な物語です。
史上最高の先生になることを目指して小さな島に行った
山下たろーくんという設定だけで、清いお話だと、わかります。
たろーくんには、奥さんと子供がいるのですが、
このお嬢様で美人の奥さんが、たろーくんにぞっこんなのが、素敵なのです。
子供の総一郎君は「なんで美人の母上が……」と納得いきません。
それでも、奥さんはたろーくんを抱きしめて、息子に言います。

〈だって、あんなにがんばってきたんですもの〉
〈たろーさんがあたりはばかることなく奮起している姿をみているのが
私は好きなのです みているだけで 心が満たされるのです〉
〈たろーさんをみていると 思わず顔がほころんでしまう
そんな自分がすきでたまらないのです〉

小島に行ってみたものの仕事がなくて、漁船で一泊しなければならない時も、
奥さんは、たろーくんに言います。

〈先のことをくよくよ考えてもしかたがありません。なんとかなりますよ。
それより、ほら……こんな素敵な夜なんですから……
この空のもと……いまを楽しみませんと……
ご慈愛頂戴いたします〉

と、おふとんに両手をついて、にっこり笑うのです。
清楚な女性の積極的なお誘いの言葉は、ドキッとしますね。

                        彰宏より。
P.S.
僕は、君のお誘いの言葉にも、いつもドキッとしてるよ。