こんなに素敵なレディが、待ってくれていた。
(桜)
親愛なる君に

桜の季節になると、「ごめん」という気分になります。
いつも、いつも、通っている道なのに、
この木が、桜だったということを、
花が咲くまで、気がつかなかったのです。
正直に、ざんげします。
それどころか、そこに木があるということすら、意識していませんでした。
大きな通りに面して並んでいる桜の木も、
信号は意識していても、花の咲いていない木は、
意識したことがありませんでした。
さらに、ビルとビルの間の細い道に、
1本だけ立っている木が、まさか桜だとは、気づかなかったのです。
ちょうど、その木の前でザンゲしている時、
iPodから、JAYWALLKの『何も言えなくて…夏』が流れてきました。
「綺麗な指してたんだね 知らなかったよ
となりにいつも いたなんて 信じられないのさ
こんなに素敵なレディが俺 待っててくれたのに」
「何も言えなくて…春」でした。

                        彰宏より。
P.S.
意識していなかった時間が長ければ長いほど、忘れられなくなるよ。