直筆は、練習しなければ、失敗もない。
親愛なる君に

テレビの番組では、よく作家としての紹介映像として、
「執筆中のところをお願いします」と依頼されます。
でも、僕の場合は、執筆中のところは、
意外に、絵としてはテレビ的でないのです。
脳からしぼりだすようには書いていなくて、
ダイエーのレジに近い感じで、淡々と書いているからです。
頭をかきむしる作家像を期待しているディレクターには、
結局、編集でカットされるので、
「筆で直筆を書いているところはどうですか」と提案しています。
『エナジーチャージ』でも、筆で直筆で書くシーンを撮りました。
番組用に書いたのではなくて、
携帯サイトの『キャラっぱ』のための直筆を書いているところを、
そのまま撮影していただきました。
「速いですね」と言うのが、ディレクターの驚きでした。
「次から次へと、わいてくる感じですね」
「失敗が、ひとつもないですね」
練習や下書きはせずに、どんどん書いていきます。
練習がないのだから、失敗もないだけなのです。

                        彰宏より。
P.S.
失敗も、楽しんだり、味にしているだけです。