ガマンするから、幸福感を味わえる。
(マッサージ・ギリギリ事件)
親愛なる君に

マッサージ師さんの才能は、手が温かいことです。
手が温かいだけで、癒されます。
ときどき、手が冷たいマッサージさんがいます。
Tシャツの上からだと、まだいいんだけど、
直接、肌に触れるアロマテラピーだと、
手の冷たさで、トイレに行きたくなります。
60分コースで、トイレに行きたくなると、リラックスできません。
しかも、アロマテラピーでは、デカパンツ1枚なので、
スーパーの中にあるエステでは、
売り場をデカパンで走り抜けるわけにはいきません。
そんな時に限って、清掃中だったら。
春先の変態と間違えられて、お客さんから、キャーと言われて
警備さんに取り押さえられそうです。
スポーツ新聞に載る写真や見出しが、間抜けです。
そんなことを考えると、必死でガマンすることになります。
いつもは、いつまでもこうされていたいというマッサージが、
無限に長く感じられます。
(ここでもし、もらしてしまったら)
それこそ、大惨事になります。
やっと終わって、あわてて着替えている時、
股間が、じんわり温かくなりました。
(ついに、やっていまった……)
そっと、股間を見ると、あったかいお絞りの上に座っていただけでした。

                        彰宏より。
P.S.
小走りで、トイレにかけこみ、なんとも言えない幸福感を味わいました。