丼物のふたの上に乗っていたたくあんは、どこへ行った。
親愛なる君に

今から思うと、不思議なことがあります。
子供の頃、丼物には、ふたがついていました。
ふたの上には、黄色いたくあんが、2切れ乗っていました。
今から考えると、不思議なことです。
丼のふたの真ん中は、厳密に言うと、ふたの裏のようでもあります。
丼が転がらないための脚のようでもあり、
ふたを開ける時の取っ手のようでもあります。
でも、絵柄が描いてあるほうなので、裏とも言い切れない。
裏なら、そこに食べ物を置くのは、清潔ではない気もします。
そこに、食品を置くことで、きれいな器である証にもなっています。
最近は、ふたのない丼物が増えたのが、ちょっと、残念です。
ふたを開ける時の感動が、丼物の醍醐味なのです。

                        彰宏より。
P.S.
割り箸にはさまっている三角の七味も、最近、どこへ行ったのだろう。