これは、まだ起こっていない現実の物語だ。
(『日本沈没』)
親愛なる君に

映画『日本沈没』(2006年版)を、見てきました。
前作が、1973年12月公開だから、
僕が、街の映画館「ニューオオトリ」で見たのは、
中学2年だったということになります。
うちがやっていたスナックの常連のお客さんの青木さんに、
妹と一緒に連れて行ってもらいました。
座った席まで、覚えています。
上・下巻の原作本も、青木さんが読み終わったのを読みました。
その後の、毎日20分ずつ放送があったラジオドラマ版も、
毎日、最終回まで、聴きました。
最近は、「これは、実際にあった物語です」というテロップがよく出ます。
『日本沈没』は、SFでありながら、僕の中では、
「まだ起こっていない現実」であり続けています。
33年ぶりに出合えることに、感動しました。
休火山が、爆発したみたいでした。
うれしかったことが、3つ。

(1) CGに頼ることなく、人間ドラマが、描かれていたこと。
(2) 前作総理大臣の丹波哲郎さんが、
 ヒロインのおじいさん役で写真だけ登場してたこと。
(3) もはや旧式になった「わだつみ2000」が、活躍すること。

それまで、僕が知っているSFは、怪獣ものやヒーローものでした。
こんなSFもあるんだなと、衝撃でした。
2006年版も、決して、昔のほうが良かったとは思いませんでした。
ここにも1人、73年版『日本沈没』で、映画にのめりこんだ男がいます。

                        彰宏より。
P.S.
物語は、33年間止まることなく、進行していました。