酔っ払いは、甘えん坊になる。
(『かわり目』)
親愛なる君に

桂米朝師匠の落語を移動中いつも聴いていると、
2つの懐かしさに出合えます。

(1) 懐かしい大阪弁。
(2) 父親と母親の会話。

たとえば『かわり目』という演目が好きです。
酔っ払って帰ってきた夫と奥さんのやり取りです。
日常のなんでもない一場面を描いたお話です。
僕のいたコマーシャルの世界では、
スライス・オブ・ライフと呼ばれているジャンルです。
酔った父親と母親が、
まさに『かわり目』に出てくるようなやり取りをしていました。
落語が、同じネタを話しても、
その中に、話し手の人間味が出ます。
米朝師匠の落語に出てくる酔っ払いは、
愛嬌があって、嫌な感じがしないんですね。
奥さんにポンポン言いながら、甘えているんですね。
奥さんも、甘えさせているんですね。
決して、夫婦ゲンカをしてるんじゃないですね。
酔っ払って、ぐずぐずからんでいるんだけど、
そこに、男のかわいらしさや夫婦の愛情がにじみ出てるのです。

                        彰宏より。
P.S.
父親をモデルに、酔っ払いを演じてみたいですね。