オープニングでセリフの少ない映画は、面白くなる。
(映画の楽しい観方 (4) )
親愛なる君に

面白い映画は、セリフが少ない。
説明がなくても、イメージがどんどんふくらんで、
勝手にセリフが聞こえてくるのです。
最近で、セリフがなくて素晴らしいシーンのひとつが、
映画『グレイテスト・ゲーム』です。
全米オープンで、キャディをしていたアマチュア選手が
優勝した実話物語です。
4日間のトーナメントを、ただ描いていくと、
単調になります。
これに変化をつけるのが、監督の力量になります。
4日間の3日目、土砂降りになりました。
この日のシーンのセリフをカットしました。
水しぶきを上げて走るボール。
構えるゴルファーの帽子から滴り落ちる雨。
バンカーにたまった水。
トーナメントの過酷さが、セリフのない3日目で
見事に表現されていました。

                        彰宏より。
P.S.
オープニング・シーンで、セリフの少ない映画は、
まずはずれません。