いい詩を読むと、ちょっと、黙りたくなる。
(南村香里さん著『二の線 三の線』)
親愛なる君に

短歌・俳句集の楽しい読み方は、
その中で、自分のイチ押しの歌や句を選ぶことです。
ひとつでも、その中に、イチ押しの歌や句があれば、
それは、素晴らしい短歌・俳句集です。
あまり、ひとつひとつの歌や句に、
「どういう意味なんだろう」と立ち止まらないで、
どんどん読んでいくと、
「ドキッ」とする歌や句に出合います。

南村香里さんの俳句集『二の線 三の線』(新風舎)を、読みました。
巻頭ページの句にまず、やられました。

〈「ガンバレ!」の海苔文字蓋に持ってかれ〉

句は、そのあとの一拍の間があるのがいいですね。
4コマ漫画で、3コマ目でオチがあって、4コマ目は間みたいなね。
これは、ぜひ八十田勇一さんに演じてもらいたい。

もうひとつ挙げると、これです。

〈ごめんねと言わず遊ぼといのこずち〉

確かに、子供の頃は、ケンカしても「ごめんね」がなく、仲直りしてましたね。
誘い言葉は、「遊ぼ」でした。

いい詩や言葉のあとには、必ず、セリフのない間が、ありますね。

                        彰宏より。
P.S.
ノリ弁の歌を、最優秀に選んだユーミンも、さすがです。