生きているエビを調理できて、男になる。
(スターシェフ)
親愛なる君に

生きたオマールエビが、届きました。
一流レストランの高級メニューを
自宅で味わえるというスターシェフというサービスです。
「シェイノ」のソース・アメリケーヌもついてます。
レシピを参考に、トライしました。

〈まず、生きているかどうか、確認してください。〉
動いてるし。

〈水洗いしてください。その時、尻尾がびしびしはねることがありますので
注意してください。〉
注意しても、はねるし。
次に、楕円形の電子レンジ用のパックに入れます。

〈尻尾を、折りたたんで、入れてください。〉
電車の中で、怖いおっちゃんの股を閉じるようなドキドキです。

〈ヒゲをたたんで、ふたをしてください。〉
目が、あうし。

チンしてからも、解体していく作業が、大変でした。
僕は、映画『ソウ』のジグソーを、思い浮かべました。
〈ひとつ、ゲームをしよう〉

レストランのシェフは、大変なんだというありがたみがわかりました。
でも、おいしかったです。
『久兵衛』の蒸しあわびと、『吉兆』のお赤飯は、動かなかったので、
こっちのもんでした。
おいしかったです。

                        彰宏より。
P.S.
紹介してくださった花岡浩司先生は、言いました。
「えっ、自分で、できたの? 怖くなかった」
花岡先生も、怖かったみたいで、ほっとしました。
P.S.2
これで、君と無人島に漂流しても、エビを食べさせてあげられるよ。