登場人物すべてに名前をつけることで、
脇役が主役になる鶴瓶ワールドの面白さ。(笑福亭鶴瓶さん)
親愛なる君に

笑福亭鶴瓶さんの『鶴瓶噺2007』@青山円形劇場に、行ってきました。
これは、テレビでは見ることができない鶴瓶ワールドの面白さ、満載です。
鶴瓶さんのお話の面白さは、固有名詞の多さです。
子供の時の友達から、通りすがりの人にまで、
全部名前がついて、登場します。
『スジナシ』でも、鶴瓶さんは、話の中にしか登場しない人物でも、
必ず、固有名詞をつけます。
『家族に乾杯』でも、会った人の名前を、
よく覚えられるなあと感心させられます。
通常、名前をつけて話すとストーリー展開がわずらわしくなるので、
名前を省略して「おばちゃん」「おっちゃん」「ある人が」で、
すませたほうが、楽なのです。
ところが、鶴瓶さんは、名前を省かないことで、
登場人物に、キャラや人生を与えます。
鶴瓶さんのお話に、脇役は存在しないのです。
脇役こそ、主役を食うほど、おいしいキャラになるのです。
有名人の固有名詞を入れると、「誰? 知らない」で、
緊張が途切れるというリスクもあるのに、
鶴瓶さんは、オリジナルを知らない人のモノマネをしても、
「似てる」と言わせる説得力があるのです。
東京のお客さんには、松鶴師匠もぎりぎりいっぱいなのに、
香川登志緒先生は、わからんやろうと思っていたら、
受け口のしゃべりに、東京の若い女の子まで、笑っていました。
これが、鶴瓶ワールドなんですね。

                        彰宏より。
P.S.
楽屋にご挨拶に行ったら、今日のエピソードに出てきた人が
見にこられていて、感激しました。