まとまりそうな話を蹴散らかすのも、創造性。
(『イッセー尾形のとまらない生活 GW in クエスト』)
親愛なる君に

『イッセー尾形のとまらない生活 GW in クエスト』に、
行ってきました。
今回、またまた、いろんな発見をしました。

【1】年齢を細かく演じ分けながら、人間は、いくつになっても同じ
ということを、感じさせる。
おじいさんネタを2つ以上やるとかぶりそうなのに、
ちっとも、かぶってないくらい、別ものであるところが面白い。
最初、いくつくらいの人ですよと、しっかりわからせておいて、
最後には、年齢不詳な魂だけが印象に残るのです。

【2】あるスタイルがあるようで、実は、全部スタイルがバラバラ。
キャラがバラバラなだけではなくて、文体がバラバラなのです。
だから、同じキャラを、別の文体でも描けるので、
無限にわいてくるのです。

【3】いい話にまとまらないように、蹴散らかす勇気がある。
話は、勝手に、オチへ行こうとする。
まとまらない話も、ほっておくと、いい話になろうとする。
でも、イッセーさんは、いい話にまとまろうとする話を、
常に、オチがつかないように蹴飛ばしているのが、凄い。
「ヘアサロンの女と迷子」の話は、いい話になりそうなところで、
蹴飛ばされた。

                        彰宏より。
P.S.
杖をついたおじいさんの杖を持たないほうの手の揺れを、
つい、マネをしてしまったのは、きっと僕だけではないはずです。