感情移入できる役が、3人以上出てくると、大人のドラマになる。
(『ハゲタカ』)
親愛なる君に

経済ドラマで、『華麗なる一族』と同時期にオンエアされた
『ハゲタカ』(NHK土曜ドラマ)は、対照的な作品で面白かった。
これまでドラマに登場する場合、
平面的な悪役でしかなかった“ハゲタカ”を、
人間的に描いているところが、新鮮でした。
実際の事件や人物のパロディになると、
ただのコントになりそうなところを、
血の通った人間として描いているのも、絶妙でした。
展開も速く、感情移入したくなる魅力的な登場人物が、
何人も出てくるところが、ドラマとして、面白かった。
主役が1人だけというドラマは、お子様向けの話になります。
2人出てくると、きちんとしたドラマになり、
3人出てくると、大人のドラマになります。
ただ大物スターが、ぞろぞろ出ているだけでは、
そうはならないのです。
第1回を見た時、ハゲタカ役の大森南朋さんが、
知り合いの一部上場企業の社長にそっくりの演技で、
このドラマは、凄いぞとその時、感じました。

                        彰宏より。
P.S.
大森さんは、映画『サル』で共演した時から、
不思議な空気をかもし出している役者さんで、印象的でした。