手品師になる代わりに、別の仕事で、手品をしている。
(山室一幸さん)
親愛なる君に

あるパーティで、ファッションプロデューサーの山室一幸さんご夫妻と
お会いしました。
山室さんとは、『ヴァンサンカン』で対談して以来、
10年以上のおつきあいになります。
マジシャンの菅原英基さんがいらしたので、
「僕は、手品、大好き」という話になりました。
「僕は、ゼンジー北京さんで、育ちましたから」
という話をしたら、「僕も、です」と、山室さんが言われました。
東京育ちの山室さんが、
ゼンジー北京さんを知っているのが不思議で尋ねると、
「『大正テレビ寄席』、見てましたから」。
オシャレな山室さんと、ゼンジー北京さんのギャップが、
新鮮な驚きでした。
実は、同じ昭和34年生まれであることも、わかりました。
子供の頃、父親に見せてもらった手品の話で盛り上がっていると、
山室さんの美人の奥さんが、
「男の人って、手品好きなんですね」と
微笑まれていました。
人を喜ばせる手品師になろうとして、
でも、手品師になる代わりに、
山室さんは、ファッションプロデジューサーになり、
僕は、作家になったんですね。

                        彰宏より。
P.S.
そして、君を喜ばせる手品師で、僕はいたいよ。