僕の手を握ってきた小さな男の子。
親愛なる君に

先週、お葬式に行った時、
こんな不思議なことがあった。

火葬場で、待っていたら、
僕の手を、小さな男の子が後ろから、握った。
僕も、そっと、握り返した。
パパと、間違えているのかな、と思った。
でも、僕は、そのまま、握っていた。
しばらく、その辺を歩いた。
男の子は、僕の顔を見ないで、言った。
「こんにちは」
先に挨拶をされたので、僕は、あせって、
彼の顔をみて、「こんにちは」と言った。
彼は、にこっと笑って、それから、手を握ったままだった。
僕は、男の子の手をつないで歩いたことがなかったので、
ドキドキした。

                        彰宏より。
P.S.
僕は、あの子が、「誰だったか」知ってるよ。