どんなレストランのご馳走よりも、冷蔵庫の中にあるもので
作ってくれる料理が、おいしい。(『渡辺いっけいと東京セレソンDX』)
親愛なる君に

脚本家サタケミキオこと俳優・宅間孝行さんの舞台
『渡辺いっけいと東京セレソンDX』に、初日に行ってきました。
今回の公演の見所は、場所が、原点の中野ザ・ポケットということです。
ブレイクして、もっともっと大きな仕事が立て込んでいるのに、
原点の小劇場でするところが、さすがです。
大晦日までやる公演に、集まる役者さんも、役者さんなら、
集まるお客さんも、お客さんです。
「グダグダ公演」といいながら、「気合の入ったグダグダ」に、
感動します。
集まれる役者さんたちで、何ができるかということから作られています。
つまり、料理を決めてから、買い物に行くのではなくて、
好きな子が、自分ちの冷蔵庫で、今、ある食材で、作ってくれたという
ようなうれしい贅沢さを、味わいました。
お芝居は、普通、自分の作品は、自分が先に演じて、
その後、大きな劇場で、他の役者さんがするというのが定番です。
宅間さんは、大きな劇場で、他の役者さんがやったお芝居を、
あとから、自分で、小さな小屋でやるところも、憎いです。

                        彰宏より。
P.S.
今回、一番、感動したことは、宅間さんが、一番肝心な伏線を間違えた時、
お客さんが、逆に、ドラマに、引き込まれまれたことでした。
落ち込んでいる宅間さんに、
「いいんだ」と、あとでフォローしたいっけいさんのお芝居と
宅間さんへの愛情も、ぐっときました。