染まるでもなく、浮くでもなくが、一番上質だ。
(湖月わたるさん『ジル』)
親愛なる君に

湖月わたるさんの『GILLE(ジル)』(天王洲・銀河劇場)を、観てきました。
いつも、わたる君のお芝居を観にいく時は、
わたる君が出るからという状態で行ってしまいます。
どんなお芝居なのか、事前情報、まったくなしで行ってます。
始まってから、「あれっ、今回は、こんなお芝居だったの?」と驚かされます。
しかも、わたる君は、アントニオ猪木さん以上に、
異種格闘技に挑戦し続けています。
宝塚時代から、京劇とコラボしたり、退団後も、
この間の『夜叉ヶ池』は能楽劇だったし、
今回の『ジル』は、バレエでした。
異種格闘技の中でも、わたる君は、染まるでもなく、浮くでもなく、
見事なハーモニーを生み出していくところが凄い。
モデル以外の人が、ファッションショーに出る時は、
モデル歩きをすると負けるので、
自分の人生の歩き方をするほうが存在感が出るのと同じです。
そのたびに、吸収していっています。
僕も、わたる君のお芝居を観にいくことで、
今までだったら、見なかったかもしれない世界を体験させてもらっています。
今度は、何をやるか、楽しみです。

                        彰宏より。
P.S.
冒頭、モヒカンで飛び出してきたバレリーナを見て、
「わたる君、やった」と思いました。