「飼犬に手を噛まれる」という文章を書く仲の良さ。
(白洲正子さん)
親愛なる君に

『作家の犬』という写真集があります。
ふだんはしかめつらをしている文豪が、
愛犬の前では、でれでれになっている素敵な写真集です。
その中の圧巻が、白洲正子さんです。
その写真で、正子さんは、手に包帯を巻いています。
(それって、ひょっとして、でも、まさか…)
と思っていると、正子さんが犬について書いた文章のタイトルを見て、
感動しました。
「飼犬に手を噛まれる」です。
他のどんな仲良しの写真よりも、
正子さんの包帯を巻いた写真が、
愛犬との仲のよさを感じさせました。
正子さんの美学の本はたくさんありますが、
この文章が、一番気になります。
さすが、白洲正子さん。

                        彰宏より。
P.S.
さすが、白洲次郎さん。