乱歩の世界には、華族社会にあったロマンティシズムがある。
(『K-20 怪人二十面相・伝』)
親愛なる君に

着るものは、人を動かします。
その服が、その人の行動や、性格や、人生までも、
影響を与えるのです。

ヴェネチアン・マントを買うと、
『K-20 怪人二十面相・伝』を見たくなりました。
マントといえば、怪人二十面相です。
さすがに、映画館にマントを着ていくと、
宣伝の人だと間違えられるので、普通のコートで行きました。

怪人のマントの着こなしだけでなく、
映画そのものも、面白かった。
1941年12月、西太平洋で、米英と和平が成立したもうひとつの世界
という設定が面白い。
そのナレーションにかぶせて映し出される1949年の東京の景色が、
『ALWAYS 三丁目の夕日』よりも、さらにドキドキさせられました。
パトカーのボディーは、ドイツ語で書かれ、
華族社会が残っている世界って、
どんなだったかを描いているところがロマンティックです。
金城武さんは、異日常の世界を描くのに、ぴったりです。
オートジャイロまで操縦するお姫様の
「淑女のたしなみです」というセリフも、かっこよかった。
昭和な世界が、僕は好きです。

                        彰宏より。
P.S.
子どもの頃読んだ江戸川乱歩の世界に、マントで連れていかれました。