バイオレンスと思われている人ほど、優しい。
(俳優・山田辰夫さん)
親愛なる君に

俳優の山田辰夫さんが、天国に旅立たれました。
山田さんとは、『広島やくざ戦争』で、
ご一緒させていただきました。

山田さんを、『狂い咲きサンダーロード』の
ブチ切れたバイオレンスのイメージで思い込んでいたので、
まったく真逆の人であるのに、驚かされました。

「ちゃぶ台で、お茶飲んでる、ホームドラマのお父さん
みたいなのがやりたい」と、おっしゃってました。

「アクションをさんざんやってこられたから、
たまには、違うのをやりたいんですか、と聞きました。
「みんな、なんか、勘違いしてるんですよ。
僕は、最初から、アクションは苦手なんです。
痛いのが、一番嫌い」

現場でも、笑い上戸で、いつも笑いをがまんしていました。
『おくりびと』の柿をくれる遺族の山田さんは、
もっとも、山田さんの素だったんですね。

                        彰宏より。
P.S.
本をお送りした時に、いただいた御礼状のハガキが、まだとってあります。