言葉には、青春がある。
(『みんなで ニホンGO!』)
親愛なる君に

NHKの実験番組『みんなで ニホンGO!』が、面白かった。

〈ニラレバ炒めか、レバニラ炒めか〉

僕は、大阪にいた子どもの頃、「ニラレバ炒め」が普通だったのに、
バカボンのパパが、テレビで「レバニラ炒め」と連呼しているので、
(東京では、レバニラ炒めなんだな)と思いこんでいました。
バカボンのパパ語か、赤塚不二夫語かとも、思いました。
番組の面白さは、ここからです。

原作を調べると、「レバニラ炒め」は、3回しか出てこなくて、
しかも、「レバーニラ炒め」と表記されています。
そこで、当時のディレクターに話を聞きに行くところが、凄い。
なんと、引退しているディレクターは、
「レバニラ炒め」が、どんな料理か知らないけど、
あいだつなぎに使っていたことが判明。

〈MMKの意味は?〉

「もてて、もてて、困る」というギャル語っぽい言葉なのに、
戦争中の海軍の隠語だったことが、わかりました。
隠語集という小冊子が出てくるところが、凄い。
仲間意識を強めるために隠語が生まれて、
誰もが使うようになった時、隠語でなくなるというのが、面白い。

〈「よろしかったでしょうか?」は、いいのか〉

世間でよく非難されている言葉は、
僕は、外国語でよくある婉曲の完了形なので、文法的には間違いではない
と、感じていました。
たぶん外資系ホテルのマニュアルから始まったと推察しています。
すると、童謡「かわいい魚屋さん」の歌詞の中で、
魚を薦められた山の手の奥さんが、
「今日はそうねえ よかったわ」と断る言い方が発見されました。
これは、上品な感じの言葉です。

「よろしかったでしょうか」は、全国に浸透していて、
逆に、関東地方のファミレスでは、お客様からのご意見で
使われていないという流行語の逆転現象が出ていることが、面白かった。
かつては、京都から全国に広がった言葉が、
今は、東京から広がっていて、早くなくなるというのが、面白かった。

                        彰宏より。
P.S.
いいか悪いかではなくて、、徹底的な横道へのそれ方が、面白い。
やっぱり『ソクラテスの人事』の丸山俊一プロデューサー企画でした。