アートの島に行くと、見えなかったものが見えてくる。
(直島)
親愛なる君に

瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に行ってきました。

美術館のある島ではありません。
島全体が、美術館です。
アート的な、空間と時間です。
島中のすべての古いもの・新しもの、
民家、公共施設、すべてが芸術作品なのです。

港に着いた瞬間から、『LOST』の謎の島に、
漂流したような気分になります。
乗り合いバスに乗っているのが、
おばあちゃん1人に、あとは全部、外国人。
聞こえてくるのは、英語・フランス語・スペイン語。
そこが、日本であることすら忘れてしまいます。

たとえば、「南寺」。
安藤忠雄さんと光の芸術家ジェームズ・タレルのコラボ作品です。
中に入ると、真っ暗。
壁に手を当てながら、中に入る。
真の闇は、本当に何も見えないんだなと、感じます。
諦めて5分くらいすると、
幻覚のように、うっすらスクリーンのようなものが見えてきます。
暗闇に、目が慣れてきたのです。
「絶望的な闇の中でも、時間をかければ、何かが見えてくる」
ということなのです。
テレビや本では、味わえません。
アートは、見るものではなく、体感するものです。

夜、プラネタリウムのような星空に、
雨のように次々と降り注ぐ流れ星を見ました。
                       

                        彰宏より。
P.S.
決して便利がいいとは言えない島に、若い女性が大勢押し寄せていました。
そのことで、島のおじいちゃんが、みんな元気になったそうです。