行きつけのバーでのセレブ交友を描かないドキュメンタリーが、深い。
(映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』)
親愛なる君に

映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』が、
ヒットしている理由がわかりました。

ドキュメンタリーとして、極めて高い志を持っているのです。
僕は、その道の達人のドキュメンタリーが大好きです。
ドキュメンタリーが、つい陥りがちな落とし穴があります。
それは、その人の「意外な一面」を狙おうとしてしまうことです。
僕も、取材される側として、「なにか、意外なことって、ないですか?」
と、打ち合わせで言われることほど、がっかりすることはありません。

「行きつけのBARで飲んでいる絵」や
「セレブな人脈とセレブなお店での会食」や
「子供と遊ぶ絵」や「犬の散歩の絵」や
「たまたまかかってくるVIPの友達からの電話」は、
テレビ的な絵変わり欲しさの軽いダンドリに感じてしまいます。

『THIS IS IT』には、それがないところが、志を感じます。
達人の本業を徹底的に掘り下げるところに、
圧倒的な凄みを感じます。

                        彰宏より。
P.S.
僕の行きつけのBARは、「バー・ミヤン」です。
飲み放題です。