神の達観と、少女のかわいさが、共存する。
(『狼と香辛料』)
親愛なる君に

年明け早々、今年の衝撃的な出合いがありました。
『狼と香辛料』です。
作画・小梅けいと、原作・支倉凍砂、キャラクターデザイン・文倉十。

TSUTAYA DISCASで見た、カバーの女の子の絵がかわいかったので、
軽く借りてみて、意表を突かれました。
少女マンガと思って油断して見始めて、
冒頭10分で、これは凄い作品だと気づきました。

「剣と魔法」の登場しないファンタジーです。
中世ヨーロッパの経済史や商人哲学が、
かなりハイレベルにわかりやすく描かれています。
主人公は、25歳の行商人と、500年以上生きる狼の化身の少女です。

はまった魅力を3つ挙げると、こうです。

【1】狼の化身ホロが、神の達観を持ちながら、
【2】少女のような、かわいいところもあって、
【3】商人の道徳や哲学が深い。

たとえば「だまされたら、怨むより、感心せよ」なんていう
深いセリフが、ギャップのあるかわいい絵の中に、
ふんだんに出てきます。
ビジネスものとしては、『細うで繁盛記』以来の感動です。
やっぱり、僕は、大きな耳や尻尾のある
この世のものではない女性に引かれるようです。

                        彰宏より。
P.S.
テレビで放映されたDVD版も、コミックスも、どちらも面白い。
放送していたチバテレビも、見逃せません。