小学生の頃から、コツを見抜くカイジのような少年だった。
親愛なる君に

僕の小学生の頃、鉛筆の最高級品は、
三菱鉛筆ハイユニでした。
普通の鉛筆が1本10円だったのに、ハイユニは150円でした。
今と比べても、高級品です。
普通の鉛筆が軸は緑色だったけど、ハイユニはエンジ色でした。

うちの近くの大鳥神社は、毎月、2日、12日、22日に、
「にいび」という縁日が開かれました。
そこで「あてもん」がありました。
お箸を3本引いて、端に書かれた数字によって、景品がもらえるのです。
1回20円。
僕は、このあてもんのコツをつかみました。
1等は当てられなくても、3等の鉛筆1ダースは、
確実に、当てることができるようになりました。
おじさんに顔を覚えられるまで、
かなりの本数の鉛筆を、ゲットしました。
それが、Fの鉛筆でした。

たぶん、HBがあるのに、さらに間をつくった企画倒れで商品が売れ残って、
縁日に回ってきたのでしょう。
それでも、20円で、12本手に入るのですから、子供の僕にしては、
すごい稼いだ気分になれました。

ところが、小学生の僕には、F鉛筆は、硬すぎました。
僕の部屋に、大量のF鉛筆の在庫を抱え込みました。
やがて、中学生になって、硬い鉛筆がかっこいいと感じるようになった時、
F鉛筆の出番になりました。

                        彰宏より。
P.S.
どんなコツをつかんだかは、思い出せないけど、
子供のころから、コツをつかむということに目ざといカイジのような
子供だったんですね。