出のひと言で、襟元をつかまれて、連れて行かれる。
(鶴瓶さんと宅間孝行さんの『スジナシ』)
親愛なる君に

『スジナシ』を見ていると、2つの面白い構成があります。

(1) 緊迫した場面で始まって、いい話になる話。
(2) 穏やかに始まって、緊迫した状況になる話。

ゲストに芯をとらせながら、同じトーンで終わらせないのが、
200本以上、真剣勝負を
あたかもタコ焼きを焼くようにガチンコしている
鶴瓶さんの凄さです。
服装や場所に引っ張られないほうが、面白い時もあります。

「出のひと言」で、面白かったのは、
宅間孝行さんの「駅の自転車置き場」の回です。
警官の服装の宅間さんが、
息を切らせながらフレームインして、
鶴瓶さんに「大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫」
と優しそうに声をかける。
これだけで、「どういうこと?」と、
襟元をぐっとつかまれて連れて行かれます。
さすが、宅間ワールドです。

笑いを封じ、オチを封じる、どMな鶴瓶さんの挑戦です。
あえてオチをつけずに、
フォードアウトのように終わる話が、僕は好きです。

                        彰宏より。
P.S.
「大丈夫」にやられましたと
宅間さんのマネージャーの小渡志乃さんに話したら、
さっそく、DVDを送ってくれました。
7月から、東京セレソンデラックスの公演『くちづけ』が、
始まります。
東京・大阪・名古屋・札幌。
また、泣かされるんだよね。