展覧会に行ったら、キャプションをつけよう。
親愛なる君に

展覧会へ行く時の楽しみ方があります。
それは「タイトルを読まない」ということです。
ほとんどのお客さんが、タイトルを読んで回っています。
タイトルが、なぜ小さい字で書かれているか。
タイトルを読むことで、絵を見た気分になられては、
作者がさびしいからです。
字を小さくすると、余計お客さんは、頭を寄せ合ってしまいます。
タイトルを読むと、絵は一瞬ちらりと見るだけで、
次のタイトルに向かって行ってしまいます。
タイトル9秒、絵が1秒というさびしい配分になってしまっています。

絵を楽しむコツは、タイトルを読まないで、
自分で、絵にキャプションをつけることです。
キャプションは、セリフがいい。
面白いセリフが入れられた絵が、印象に残る絵になります。
絵から聞こえてくる声に、耳を傾けることができます。

「ボストン美術館展」で、モネの家族を描いた絵がありました。
奥さんのカミーユの横で、小さい子供が難しい顔をして、
絵本を読んでいます。
僕のキャプションは、その子のひと言です。
「また、株が下がった。」

                        彰宏より。
P.S.
一緒に、キャプションをつけに行こう。