扇子はそもそも、ラブレターだった。
(直筆扇子)
親愛なる君に

ルイ王朝時代の映画を見ると、
貴婦人が必ず扇子を持って現れます。
扇子の折りたたみ方や持つ角度で、
愛人にこっそり伝言をするブロックサインのための道具でした。
折りたたみ式の扇子は、8世紀の日本の発明です。
それまでは、たためない うちわでした。

平安時代には、扇子に、和歌というラブレターを書いて、
恋人に送りました。
扇子は、そもそも、涼しくするものというより、
熱くするものだったんですね。

そう考えると、扇子って、セクシーなものだったんですね。
折りたたむのは、コンパクトにするだけではなくて、
ほかの人に見られないためでした。
平安貴族がしていたことを、900年後のパリの貴婦人が
マネていたというのも面白いですね。

                        彰宏より。
P.S.
今年も、扇子本来の用途であるラブレターとして、
直筆のメッセージを書いて贈ります。