「みちのくプロレス」は、自爆の美学。
(ザ・グレート・サスケ20周年記念大会)
親愛なる君に

「みちのくプロレス」
「ザ・グレート・サスケ20周年記念大会」@後楽園ホールに行ってきました。

開始早々、プロレスの客席が、なぜパイプ椅子なのか、実感しました。
客席は、リングの外ではなくて、リングの中なのです。
1秒後には、自分の座っている席が、主戦場になるのです。
だから、可動式のパイプ椅子でなければならないのです。
驚くのは、肉弾がぶつかり合っていた場所が、
主戦場が移動すると、何事もなかったかのように、
お客さんが椅子を戻して、座ることです。
パイプ椅子は、可動式の舞台装置であると同時に、凶器にもなります。
大道具であり、小道具でもあるのです。

プロレスの美学は、自爆の美学だと、実感しました。
どれだけ相手にダメージを与えるかより、
どれだけ危険なことをして、自分にダメージを与えられるかを
競い合う美学です。
観客は、「やってしまえ」ではないのです。
「やめろ。そんなことをしたら、お前が、死んでしまう」なのです。

                        彰宏より。
P.S.
もちろん、設置式の椅子のところに座っているからと言って、油断できません。
「みちのくプロレス」を見に行く時には、観客も十分なストレッチをして、
アキレス腱を伸ばしておかないと、逃げる時に、肉離れを起こします。