運命の神様が、志のバトンを渡す。
(博報堂元会長・近藤道生さん)
親愛なる君に

博報堂元会長の近藤道生さんが、天国に旅立たれました。

僕が、入社した1年生の時に、会長室で、
近藤会長に、うなぎをごちそうになったことがあります。
1年生で、会長と食事をできるというチャンスは、まずありません。
その時、近藤会長は、文化庁推薦映画選考委員長をされていました。
そのアドバイザーとして、社内から映画に詳しい3人が選ばれて、
会長室に呼ばれました。
元・松竹プロデューサーと、映画評論家をしていた先輩と、
1年生の僕でした。

忙しい仕事を割いて、自分でも、
映画をよくごらんになられていました。
「昨日『ウホッホ探検隊』を見たよ。なかなか、面白かったよ」
会長が、意外な映画を見ていて、
しかも、それを面白いという懐の深い人だなと感じました。

「博報堂は、将来、広告会社では生き残れなくなる。
情報で生き残るためには、商社と競合になる」
この言葉の意味を理解できた人が、博報堂にどれだけいたか、
難しいところです。
先が見える者の孤独を、茶人として、
お茶で癒やしていたに違いありません。

                        彰宏より。
P.S.
志を、リレーさせていただきます。