夢の中では、時計の秒針は、ゆっくり進む。
(映画『インセプション』)
親愛なる君に

いい映画の条件は、見たあと、夢に出てくることです。
映画『インセプション』は、夢に出てきた。
夢の映画が、夢に出てくると、なかなか複雑です。

僕が、ベッドで目が覚めると、
右にあった本棚が、頭のほうに移動していました。
「あっ、これは、夢かもしれない」
『インセプション』の中で「夢の中では、時計はゆっくり進む」
というシーンがあったので、さっそく、時計の秒針を見ました。
すると、秒針は、逆に、恐ろしく速いスピードで回っていました。
「やっぱり、夢だ」と確信しました。
あとから考えると、そこにはないはずの時計でした。
僕は、寝る時は、秒針の動きが気にならないように、
ベッドの横には、秒針のない時計を置いていました。

今度、夢の中で、時計の秒針を見てみてください。

                        彰宏より。
P.S.
夢の中のほうが、時計が速く進んでいたということは、
これを書いている今のほうが、夢かもしれない。