ライオンの前では、獲物は、自ら襲われてエクスタシーを感じる。
(ヒクソン・グレイシーさん)
親愛なる君に

天才ヒクソン・グレイシーさんと
ランチをしながら、お話をさせていただきました。


僕の中では、ヒクソンさんは、格闘家以上に、
格闘技を通して、思索をする哲学者です。
決め技のチョーク・スリーパーホールドを
かけられた相手は、もがくのではなく、
心地よさそうに、落ちていきます。
それはまるで、エクスタシーです。
相手に勝つというより、
おびえて暴れる相手を、抱きしめて、なだめていくのです。
ライオンの前で、獲物のほうが、襲われたくなるセクシーさです。
戦いは、向かい合った瞬間にほぼ終わっています。

「同じ年なんです」というと、
「えっ、25歳?」と笑いながら話すヒクソンさんは、
25歳の肉体を持った100歳の仙人のようでもありました。

                        彰宏より。
P.S.
「最初に、アキヒロさんの歩く姿を後ろから見た時、
この人の姿勢の良さは何から来てるかなと感じました」
と、天才に見抜かれたのが、うれしかった。