手紙の字が、最も迫力がある。
(『緒形拳からの手紙』)
親愛なる君に

緒形拳さんの字は、
ご本人と同じくらい凄みがある。
『緒形拳からの手紙』(文化出版局)を見ると、
作品として書かれたモノだけではなく、
むしろ、ハガキに書かれた緒形さんの字が、凄い。
しかも、和紙ハガキや絵ハガキに書かれるのではなくて、
愛読者カードの、アンケート項目のような字が
印刷されている上から書かれている。
チラシの上に、絵を描くようなものだ。
緒形さんにそんな風に書かれたら、
余計、「ごめんなさい、勘弁してください」
という震えてしまう。

絵手紙の神様の小池邦夫さんは、
メモや手紙の字が、一番、迫力があると言う。
書道の神様・空海の『風信帖』は手紙で、『灌頂記』はメモだ。
手紙の字にこそ、心のライブが入るそうだ。

                        彰宏より。
P.S.
「一生、読めない字は書かない」と言った緒形さんも、凄い。
P.S.2
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