発想と量のモチベーションをもらった。
(星新一さん)
親愛なる君に

星新一さんのショートショートのシリーズは、
僕には衝撃的でした。
「おーい でてこーい」(『ボッコちゃん』所収)を
初めて読んだのは、
「毎日中学生新聞」の日曜日のマンガでだったと思います。
その後、ラジオドラマでも聞いて、
高校時代の友達にも聞いて、
浪人時代に、新潮文庫の黄緑の背中のシリーズを
全部買って読みました。

ノックの音がして、誰かが訪れるという設定で、
こんなにたくさんの物語を生みだせる発想に、驚嘆しました。
僕の博報堂の入社試験の作文は、
「ノックの音がした」で書き始めて、星新一文体で書きました。
僕の小説のDNAだけでなく、
量で頑張ろうというモチベーションをいただきました。

                        彰宏より。
P.S.
21歳の時、銀座の文壇バーで、
生・星新一さんと一緒になりました。
山藤章二さんに三島由紀夫論を熱く語られていました。