父親が、片栗粉で糊を作ってくれた。
親愛なる君に

両親のおかげで、ディズニーで育てられたという話をしました。
父親のお土産の、ディズニーの貼り絵の話をしました。
「塗り絵では、ないんですか」
と、聞かれました。
貼り絵なのです。

「ジャックと豆の木」を、覚えています。
お手本があって、その通りに、糊で色のパーツを貼っていくのです。
神戸に住んでいた幼稚園時代ですから、5歳までですね。
父親が、糊のかわりに、片栗粉をあっためてつくってくれました。
甘い糊を、ときどきなめながら、貼っていました。
僕にとって、ディズニーは、甘い片栗粉の味がするのです。

                        彰宏より。
P.S.
僕が、夜の空を、黒ではなく、ブルーに塗るのは、
ディズニー貼り絵のせいです。